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2025

July
28

サステナ
ビリティ

株式会社フソウ

東京都水道水源林「フソウの森」令和7年度 第1回活動 ~間伐作業を実施しました~

■「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定に基づく活動
7月11日(金)、山梨県甲州市の「フソウの森」にて、人材育成の一環として水源地の理解を深めることを目的に間伐作業を行いました。

株式会社フソウは、東京都水道局と締結した「東京水道~企業の森(ネーミングライツ)」協定に基づき、多摩川上流域の「フソウの森」と名付けたエリア(2.77ha)を含む水道水源林で森づくりを行っています。本協定は、水道水源林の保全・育成を目的とする水資源を守る取り組みの一つです。

この日は、キャリア採用で入社した社員を中心に、フソウおよびFUSOグループホールディングスの社員が参加し、2班に分かれて東京都森林組合の方々にご指導いただきながら間伐作業に取り組みました。

■「100年の森」を訪ねて
都内からバスで向かい、最初に到着した山梨県甲州市の東京都水道局水源管理事務所落合出張所には、多摩川上流部の森の歴史展示がありました。そこにはかつて、はげ山が広がっていた多摩川上流部の写真が掲示されています。化石燃料がエネルギーの主となる以前、森林から生産される材木は貴重な資源、商材であったことは認識していましたが、今でこそ豊かな木々に覆われた東京近郊の山林に木々の姿が消えていた事実を目の当たりにしたことは衝撃的でした。

東京の水道事業が事業創設時からこの危機に着目し、豊富な水量と清浄な水質を得るための原点として水道水源林の整備と管理に取り組んだ歴史を知ることができました。水道システムはインフラ施設の整備だけでは成り立たず、地域、流域を全体で捉えなくてはならないという視点において大きな学びでした。

落合出張所の裏手の山は「100年の森」と冠した森林が広がり、散策コースとなっています。森を歩くと1901年に東京府が水道水源林の経営を開始してから作り上げてきた125年という歳月の中で、人の手によってデザインされた巨木と若木のコントラストが遥かな時間にリアリティを持たせ、水に携わる者として認識すべき時間軸と流域という広い空間を感じさせてくれます。

落合出張所で水道水源林の歴史を学ぶ
「100年の森」の説明を受ける
「100年の森」を散策する

■水道水源林の役割を体感
落合出張所で水道水源林の役割や歴史に関する説明を受けた後、雨雲が上空を覆い始めた中、私たちは「フソウの森」へと向かいました。気象情報を入念にチェックし、安全上の問題はないと判断して、間伐作業は始まりました。東京都水道局と森林組合の皆さんが雨天時における安全上の留意点を呼びかけ、さまざまな配慮をいただく中で作業に着手しましたが「森の中では雨が気にならないかもしれません」という説明が耳に残りました。

間伐の目的や樹木を切り倒す工程について丁寧な説明を受け、倒す方向に切り込みを入れる「受け口」、倒すための「追い口」の順で、ノコギリを使ってヒノキの木を私たちはひたすらに切り、樹木を倒します。「丸太」と呼ぶには大げさな太さかもしれませんが、倒した丸太を輪切りにし、コースターを作る作業はとても手強いものとなりました。慣れない手つきで夢中になってノコギリを動かす間、ふと冷静になると雨が森を打つ大きな音に気付きました。

家の中にいる時と同じように、雨が降り出したことを耳で認識するとは思いませんでした。「森の中では雨が気にならない」という言葉を思い出しながら、木々の葉が雨を受け止め、ゆっくりと地面に水を導き、地面を潤していく水の流れを明確にイメージすることができました。ゆっくり水を流すという水道水源林の重要な役割を体感する上で、小雨は絶好の気象条件だったように思います。

斜めに刃を入れる「受け口」作りに苦労
丸太を切りコースターを製作
美しい巨木と若木のコントラスト

■活動を終えて
フソウは「水と共に生きる」を企業理念に掲げています。そして「すべての人が水に困らない世界をつくる。」というビジョン、「水をつくる、いかす、考える。」というミッションを社員全員が共有し、上下水道に関する資機材の製造・販売、施設の設計・施工・メンテナンス・運転管理に日々取り組んでいます。

人の営みと水は不可分であるということ、そして水インフラの最前線に立つ私たちは水の可能性の追及を止めてはならないということ、その先に「すべての人が水に困らない世界」が現実となる未来があることを水道水源林の歴史から学び、自らの手、足、そして五感で感じたかけがえのない体験となりました。

作ったばかりのコースターを手に記念撮影

※本記事は、活動に初めて参加した社員が執筆しています。

ー本件に関するお問い合わせー
株式会社フソウ
経営戦略本部 経営企画部 広報課
Tel: 03-6880-2123 / Mail: koho@fuso-inc.co.jp